ある日,帰ろうと思って教員室を出ると…,
「クァーン,クァーン,クァーン」
という音がわたしの耳に飛び込んできたのでした.
「んっ,をっ,な,なんだぁ~」
その音のする方にわたしの足は向いており,こころは小躍りしだしました.
「なんだ?なんだ?」
こころは,ホームズか,コナン君.音はすれども姿は見えぬ.ひとの気配が消えた放課後の廊下に乾いた音が響くのみ.静けさの中に染み渡るその音の元を探るべく歩いていく.
廊下の先のステンドグラスに,幼い時に聞いた物語がよみがえる.懐かしさとあの時味わった不気味さ.それがわたしの皮膚にまとわりついた.それでも,足は進んでいく.
「カーン,コーン,キャーン」
あぁ,木槌の音.高い音の中にやさしい感じが潜んでいる.
そして,扉の前に立った.扉が開く.窓から差し込む光がわたしの目に飛び込んでくる!!その柔らかに光に包まれて….
どんな作品になるのか?大きな期待を持ち,木槌を振る.
そんな,同僚の先生の姿が神々しく見えました.
何かを作るとき,作ることそのものだけでなく,音も楽しめる.
そんなことを感じた,ある日の物語.
こんな素敵な作品が出来上がったようです.
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