質問をいただく皆さんは,「MBOT」と「既存の作業療法」を対立関係として捉えらていることが多いようですが,それは違います.
これは,かなり強調したいところなのですが,作業療法というか作業の持つ力は偉大なものです.これは人類の歴史に匹敵するものがあります.ひとは,作業をとおして,いのちの営みを紡ぎ,現在にいたっているのです.
同じように,マインドフルネスもブッタの時代から2600年ほどの歴史があります.ひとにとって本質的な価値を持つものです.
これらは,決して対立的なものではありません.それどころか,多くの部分に重なるものを見出すことができます.それは,例えば,山根先生のおっしゃる「没我性」などにみられるところです.
しかし,残念ながら,現在の作業療法の文脈において,「作業それ自体に身を任せ,ひたっていく」という,作業が大きな力を発揮する要因となるその特徴は,あまり注目されていないといわなければならに状況であるでしょう.
その部分を,もう一度見直すために,マインドフルネスという視点を強調したのがMBOTなのです.したがって,「MBOTは作業療法の対立ではなくその一部である」のです.また,マインドフルネスと作業療法は,非常に近しい関係といえるのです.
作業療法は,なぜ全人的に「そのひと」全体が対象となるのか?病気や障害という,そのひとの持つ一つの個性ではなく,今生きているそのひと自体(過去も未来もひっくるめて),その周りの縁が取り持つひとびとまでに効くのか?という疑問に対する答えがそこにあります.
作業療法士は,もう一度作業,そして作業療法を,根本から見直す必要があるのかもしれません.作業療法の持つ力を最大限に,今を生きる方々へ提供できるように.社会に,ひとの縁でつながったコミュニティに活用できるように.
MBOTがその一助となれれば幸いです.
織田様
返信削除はじめまして。マインドフルネス作業療法の提唱者は織田さんでよろしいですか?京極真さんのホームページでお見受けし、興味がある人は連絡をとありました。その時、検索したからと思いますが、織田さんが私のgoogle上でつながっているのを本日発見しました。
私は、もう25年以上、ダンス・ムーブメントセラピーを実践・研究ともに追求している作業療法士です。
アメリカのエサレン研究所で10年前に5週間過ごしたとき、ゲシュタルトセラピーやセンサリーアウェアネスの発祥の地であるエサレンでは、東洋のボディワークである気功・太極拳・ヨガ・合気道などが盛んでした。
日本人なのだから、私のダンス・ムーブメントセラピーには東洋の動きを含めようと思い帰国し、それ以後は気功や太極拳の中のシンプルな動きをダンス・セラピーの内容に含めています。ヨガから派生したとされる全身のリラクセーションストレッチも入れてきました。
また、呼吸については20年前の修士の時の研究で、気功のチーシーという簡単な動きをしている時の不安と呼吸の関係から良いデータが得られたので、私のダンス・・ムーブメントセラピーの軸に据えています。
マインドフルネスについて知った時、私の実践との共通性をすごく感じていました。するとマインドフルネス作業療法というものが出てきて、ワクワクしてしまい、ご連絡している次第です。
先日、作業療法士ではない看護や心理の分野の人が手芸とマインドフルネスに関する論文を出していて、臨床の仲間と感激して情報共有したところです。
ダンス・セラピーという種目で考えてきたこと、実践方法論や研究は、他の種目(作業)を効果的に行おうとするときにも応用出来ると考えてきましたが、作業療法界にうまく伝えられず、孤独にひたっていました。
マインドフルネス作業療法に大いに興味を持ち、期待しています。
よろしくお願いいたします。 渡辺 明日香(北海道文教大学)
↑この名前と、所属でFace bookを
検索してください。
あまり更新していませんが、
メッセージのやり取りが
楽にできるのでは?と思います。