うつ病に対してする作業の力

今年,3月27日10:00~16:30の予定で,NTT東日本関東病院カンファレンスルームにて,「第1回 うつ病作業療法研究会学術大会」が開催されます.様々な企画がされていますが,わたしも少しお話しさせていただく予定です.
(詳細は,うつ病作業療法研究会のホームページをご覧ください)

そこでは,「うつ病治療に有効な作業 応用編」というお題をいただております.大変興味深いが,難しい課題をいただきました.ぜひ,当日皆さんとディスカッションさせていただきたいと思います.
その中で,今考えていることを予告編で,ここに書きたいと思います.

うつ病を持つ方への作業療法としては,①非日常の意味づけを用いた作業療法,②日常的な意味づけを用いた作業療法があるように思います.

このうち,①非日常の意味づけを用いた作業療法,では,A)(上手に)1人になるための作業と,B)あるがままに感じる力を取り戻すための作業(思考をOFFにするための作業)があると思います.この中にMBOTも含まれます.

また,,②日常的な意味づけを用いた作業療法では,α)活動性を高める作業(認知機能,体力,心の余裕,対人能力)と,β)遂行機能を高めるための作業,δ)社会参加を高める作業(含む,復職準備性)などがあると思います.

図にすると,以下のイメージです.



まだまだ,固まっていませんが,今臨床でぼんやりと考えていることをまとめてみました.

今回は,まだまだアウトラインのみしか書いておりませんせんが,詳細は当日お伝えしたいと思います.いかがでしょうか??一緒に,考えていきませんか??

5 件のコメント :

  1. すみません、初コメ失礼します。
    偶然にこちらのblogにたどり着きました。

    OTではないです。医療従事者でもないです。
    身内が鬱で入院しています。
    OTの方から見て、患者の家族に望むことは何ですか?
    家族が患者に対してどう対応することが妥当だと思われますか?
    一概にうつ病といっても症状はさまざまなので、漠然と答えを求める事はご迷惑にしかならないと思いますが…

    精神科領域での作業療法の重要性は非常に大きいと感じています。
    しかしながら、現在お世話になっている施設では、少なくとも私の身内に対してはそれがなされているとは感じ取れません。
     
    実際に担当OTの方にアプローチの方法を提案したりもしましたが歯切れが悪く、私自身も納得できていないです。

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    1. Qqqさん、はじめまして。コメントありがとうございます。織田靖史と申します。

      おっしゃる通り、うつ病や抑うつ状態には様々に病態があり、一概には言えないかと思います。
      ですから、あくまでも個人的な意見となりますが、わたしは、御家族に御家族の立場から患者である御本人をサポートするチームの一員として、ご参加いただきたいと思います。
      医療スタッフの立ち位置だけで、すべてがフォローできないのではないかと思います。
      そのような時に役割分担して、サポート体制がとれれば、医療スタッフとしても心強いです!
      御本人も御家族も医療スタッフも、よくなって欲しい、少しでも良かったと思って欲しい、マシになって欲しい、幸せな生活を送って欲しいという気持ちは一緒だと思います。それを共有し、うつへのアプローチ方法は違っても、同じ想いでいたいものだと思っております。
      そのために、御本人の想い、御家族の想いをうかがいたいですね。とはいえ、すぐには出てこなかったり、今の苦しみをとにかく何とかしないといけなかったり、想いが共有できるまでには、時間がかかるのかもしれません。しかし、それでも手をつなげるところを探したいです。
      作業療法へのご理解とご期待ありがとうございます。作業療法士へのご提案もされているとのこと。いろいろな想いをお持ちのことと感じました。その想いがうまく伝わるといいなと思いました。良かったら、担当の作業療法士の考えもきいてみてください。すりあわせ、共有できるといいなと思いました。
      すいません。ご質問に的確におこたえできていないかと思いますが、ご容赦ください。
      お大事にされてください。御家族のご回復をお祈り申しあげます。

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  2. 早々のお返事、ありがとうございました。
    勢いのままカキコミしたので、後で読み返してみると後半は愚痴でしかないですね(笑)
    申し訳ありません。

    精神科特有のものでしょうか、こちらからコンタクトを取らなければ、病院側からの病状経過やカリキュラムの説明のようなものは無いので、織田先生のおっしゃるような三位一体のサポートを行うにはまだ私の努力が足りないのでしょう。

    しかしながら、諸事情により現在の病院でお世話にならざるをえないので、病院優位でしか事を進められないように感じてしまい、こちらの想いを積極的に伝えることができません。
    まさに信念対立の壁ですね。苦しいです(笑)

    今回の入院から1ヶ月、初期の休養期間も過ぎ、ドクターより個別リハのオーダーも出ていないので、集団リハに出向くことが次のステップかと思ったのですが、集団リハに全く参加できていないため、その部分の提案でしたが、「他の患者さんとの関わりもあるし難しい」と、その場でお断りされました。
    毎回声かけはしており、参加を強要するものではない、と。
    それも正しい対処だと思いますが、患者が「無理はしなくていい→来なくていい→来るな」という認識になりつつあるのを危惧しての提案でした。

    決して難しいことではないですが、今までに前例のない申し入れだったのでしょうか。
    それでも検討してください、とお願いするのが精一杯でした。


    発症して3年、未遂と入退院を繰り返しながら日を追うごとに希死念慮への思いが強くなり、家族としても「諦め」のウエイトが大きくなっていく中、少しでもサポートへの気持ちが残っているうちに何か・・・という思いで日々をつないでいます。

    精神科OTの中には織田先生のような方もいらっしゃるということは、患者家族にとって希望です。今後も多くの方の希望となり、更にご活躍なさることをお祈りしております。


    それから、27日のグループワークの内容やスライドなど、アップできるものがあれば是非拝見したいです。
    (私の在住する岡山での開催だったら参加したいくらいです・笑)
    楽しみにしています。


    長文になってしまいました。お忙しい中読んでくださり、ありがとうございました。

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    1. Qqqさん,こんばんは.
      織田です.

      コメントを読ませていただきました.綴られた文章から,Qqqさんのお考えや思いを知ることができました.先だってのわたしの返信で言っていることなどは,とっくにわかていて,すでにお話もされていたとのこと.わたしの理解が浅く,大変失礼いたしました.

      確かに,伝わらない,わかってもらえない中で,ひとり取り組まれている姿は,大変な苦悩とお察しします.

      また,そのような状況の中,ご本人自体も「希死念慮」を強く思うくらい,苦しい思いをされているでしょうし,それをまじかで見られているQqqさんをはじめご家族の思いは,さらに苦しいものであろうと思います.何とか突破口が見つかるといいのですが….個人的な意見(一般論的な)しか言えずに,申し訳ありません.

      資料などは,できる限りブログかホームページでアップしていきたいと思っています.何かのお役にたてれば幸いです.

      信念対立解明アプローチに関しては,ツールも開発されています.京極先生のブログをご参照ください.

      ブログ http://kyougokumakoto.blogspot.jp/2015/10/blog-post_28.html

      ツール http://ai.sys.wakayama-u.ac.jp/belief/

      少しでも,何かよいきっかけにつながることができれば幸いです.

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  3. とんでもないです、またご丁寧なお返事をいただき恐縮です。
    ツールのご紹介もありがとうございました。早速書き込んでみましたが・・・信念花子さんのように「解明しつくしてやる!」のはなかなか勇気がいりますね(笑)
    でも、少し客観的に捉えることができたように感じます。
    私も独善的になっている部分があると思います。
    ありがとうございました。

    突破口、になるかもしれないと考えた担当OTの方への提案も結局は素人の手前味噌な考えなのかもしれないですよね。
    あれから担当OTの方より何のご連絡もないですが、それを突き詰めていくことが正しいのかどうかもよくわからなくなってきました。


    これまでも、意思決定のための作業をばーっと羅列して少しづつ抽出していっても、「やりたいこと」ではなく「やらなければならないこと」しか選択できないし(私のやり方のせい?)
    逆に、無趣味な患者が少しでも興味のあることから連想していった作業を活動につなげることもできず。

    今は入浴もおっくうになり、ドクターは投薬を変えてまた1日眠りっぱなしです。いいのかな(汗)

    強制退院まであと1ヶ月半弱、頑張れないけど頑張ります(笑)

    ありがとうございました。

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