面接についての覚書②

例えば・・・
1人の女性が少し早口に自嘲気味に呟きます.
「わたしは,わたしなりに頑張っているです!仕事をしながら,家事をして,子供の面倒を見て,夫の弁当だって作っています.でも家族は,わかってくれてない!!そりゃ,足りないところもあるのはわかってるんですけど・・・.もっと,頑張らないといけないですよね・・・.ひとりでイライラしてダメですよね.」

そんなとき,あなたは何と答えますか?
ほめる?ねぎらう?激励する?それとも・・・.

でも,○○さんはすごいですよ!!だって,仕事しながら,家事をして,子供の面倒を見て,夫の弁当まで作ってるんでしょ!!なかなかできないですよ.朝から晩まで,家族の為に頑張っているじゃないですか!!!ホントすごいと思いますよ(拍手)

という感じでしょうか?
それとも・・・,

○○さん.本当に大変な思いをされていたんですね・・・.それは,しんどいですよね.ずっと,ひとりで・・・.これまで,毎日毎日,頑張ってこられたんですね.それは,イライラしますよ.ダメじゃないと思いますよ.

という感じでしょうか?
それとも・・・,

っていうか,そりゃイライラしますよね.なんだか,わたしまでイライラしてきた.ホントに!!○○さんが,ひとりでこんなに頑張っているのに!!子供たちも,とくにご主人ですよね!!!ちゃんとわかってんですか?ごめんなさい.勝手に,熱くなっちゃいました.でも,ムカつきますよ.わたしだったら・・・.もう少し気を使ってもバチは当たらないと思いますよ.言ってやったらどうですか?言うだけのことはされていると思いますよ.

という感じでしょうか?
それとも・・・,

そんなとき,
わたしは,自分自身に問いかけます.

このひとは,今どんな感じがしているんだろうか?
このひとは,今どんな想いをしているんだろうか?
このひとは,今なにを大切にしているんだろうか?
このひとは,今どうなることを望んでいるのだろうか?
このひとは,今どう行動したいと思っているんだろうか?
このひとは,今どんなものを背負っているのだろうか?
このひとは,今なぜわたしにこのような話をしているのだろうか?

わからない場合は,質問をして教えてもらいます.
様々に空想します.もしかしたら,こんな感じかも??
わたしには,何もできないかもしれない.でも,その場に一緒に居て,共に感じ,考える営みをともに紡ぐことはできる,のかもしれません.

ひとは,ほめられたり,楽になる方法を教えてもらったり,助けてもらったり,そうすると嬉しいのだと思います.
でも,それ以上に,
自分が自分で居ることを認めてくれるひとがいることが,今の自分を受け入れてくれるひとと出会うことが,幸せな事なのかもしれません.

まだよくわからないけど・・・.
わたしのひとりよがりかもしれませんが・・・.(わたしだからそう感じるのかもしれませんね,苦笑)
ひとの価値は,そのひとの欲望に相関するものですから.

それでも,認められ,受け入れられることは,褒められたり,楽になったり,助けられたりするのと同じようには意味があるのだと思います.

例えば・・・
1人の女性が少し早口に自嘲気味に呟きます.
「わたしは,わたしなりに頑張っているです!仕事をしながら,家事をして,子供の面倒を見て,夫の弁当だって作っています.でも家族は,わかってくれてない!!そりゃ,足りないところもあるのはわかってるんですけど・・・.もっと,頑張らないといけないですよね・・・」

そんなとき,あなたは何と答えますか?
ほめる?ねぎらう?激励する?それとも・・・.

ひょっとすると,こう,ことばをかけるかも,

○○さんは,そんな想いを,今されているんですね.そうだったんですね・・・.家族のことを想って頑張っているのに,家族には伝わらない感じで・・・.でも,○○さんのおかげで,家族は救われているんだと思いますよ.○○さんが,家族のことを一身に背負って,みんなのイライラする思いを全部引き受けて,あなたは,家族を守っているんですね.それだけのものを背負うのは,本当にしんどいことだと思います.ただ,あなたがそんな風にストレスを引き受けてくれているおかげで,本当に家族は救われているんだと思いますよ.

あるいは,何にも言えないまま,そこにいるだけなのかもしれませんが・・・.

あなたは,どんなことばを贈りますか?
それとも・・・.

1 件のコメント :

  1. こんばんは。
    先だってのコメへのお返事、ありがとうございました。恐縮です。
    度々スミマセン、先生の心優しい記事についついコメしてしまいました(笑)


    私は毎度、患者側目線でしか記事を拝見できない訳ですが、このような「患者と対話しながら着地点を探る」という考えは素晴らしいなぁと思います。

    どの場合でも、まずはその方に共感し、肯定してあげることからですが、同じような主訴であっても、欲しい言葉はみんな違います。
    それは経験を重ねるほど、ある程度予測が付くことでなおざりにされそうな部分でもあるし。

    その人その人、またその瞬間で答えはみんな違う。
    だからこそ人間らしいというか。
    不可解で難しくて、面白くて喜びがあるから、OTという職の虜になるんでしょうか(笑)
    もうこれは難病指定モノですね(笑)

    先生はきっと、一番険しい道ばかりを選択して山に登っておいでなのでしょう。
    だからたくさん悩まれるのですね。


    ・・・何だかこの記事のお返事になっているようないないような。
    >自分が自分で居ることを認めてくれるひとがいることが,今の自分を受け入れてくれるひとと出会うことが,幸せな事なのかもしれません.


    すごく共感できます。私にとってはそうです(笑)
    いつになったら、どこに行けば出会えますかね??(笑)

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